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神奈川県出身 平沼薫さん・田中亮次さん
 

極上の和牛カルビとフレンドリーな接客がご自慢のレストラン『 Japanese Food Express 』がサウスポートにオープン! 「ゴールドコーストで日本式の焼肉が食べられる!」と話題になっているお店です。さっそく代表の平沼さんと店長の田中さんにお会いし、それぞれの来豪のきっかけやレストラン経営に対する熱い想い、今後の夢などについて伺ってきました。

  平沼さん、田中さん
 
オーストラリアに来られたきっかけは?
平沼さん
「高校2年の時にサンフランシスコで一ヶ月間ホームステイしたんですね。その時に『あっ、僕は日本じゃないんだ! 海外なんだ!』と勝手に思いこみまして(笑)。いずれは海外で生活するという夢を抱きつつ大学に進学し、交換留学生としてワシントン州に半年間留学しました。卒業後は日本の旅行会社に就職したんですけれど、やっぱり何か違うなと思い、ワーキングホリデーでニュージーランドへ行きました。その後日本に帰り、海外でのビジネスチャンスを考えている時にシドニーの旅行会社に就職が決まり、ビジネスビザをおろしてもらってオーストラリアにたどり着いたという流れです。それが2000年の4月ですね」
シドニーからクィーンズランド州に移ってこられたのはどうしてですか?
平沼さん
「実は、その旅行会社がクローズダウンしたんです。4月に入社したのに、年末には職を失ったわけです。で、シドニーで就職活動をして、次はレストラン業界に入り、今に至っています。焼肉チェーン店を展開しているI'S グループという会社なんですが、ちょうど入って3ヶ月ぐらいした時、ブリスベンに新しいお店を出すという話があったんですね。当然、まだトレーニング中の下っ端だったんですが、これはチャンスだと思い、社長の井上に手を上げて、『僕が新しいお店の店長をやります!』と自ら立候補したんです。そうしたら『なんだお前、まだ3ヶ月しか働いていなくて、レストラン業界のことを何も知らないのに、店長をやりたいとはどういうことだ!?』と。それで、オープンまでの残り3ヶ月間、数字に関しても、お店のマネージメントに関しても、すべてびっちり勉強するから見てくれとお願いしたんです。そして無事に井上の合格をもらい、ブリスベンに移住してきたわけです」
職を失われた時、日本に帰るという選択肢はなかったのですか?
平沼さん
「なかったですね。と言うのも、日本を出る時両親に『絶対に成功してくるから!』と言ってきたんです。で、その当時、自分の中での成功というのは、ビジネスで成功するという意味ではなく、永住権を取得することだったんです。だから永住権を取るまでは、とにかくがむしゃらにやれることをやって、そうしたら夢が実現するはずだという信念を持っていたんです。旅行会社の仕事を失った時もやばいなと思いつつ、でも絶対に日本には帰れないと思っていました。I'S グループに入った時も、大きな企業なので、いっぱい先輩たちがいましたし、僕はこの人たちを抜けないなと。そんな時、ブリスベンの話があり、『これだっ!』と思って、食らいついたんです」
店長を任されたブリスベンの『 KOH-YA 』は、すぐ軌道に乗りましたか?
平沼さん
「この5年間、苦労しかないですよね。プレッシャーは計り知れないものがありました。オープン前は寝ない生活が続き、1ヶ月で10キロ痩せたんです。でも、くじけるわけにいかないし、お店をつぶすわけにもいかないし……。あの当時は永住権のことは忘れて、とにかくお店のために頑張りました。お客さんをどう喜ばすのか? ということには非常に苦労しましたね。それから、キッチンのオペレーションも大変でした。食材や機材をどこに置くべきか? そういうことを常に変更してきましたし、それは今も続いています。キッチンもホールも、今のベストは何か? 毎晩仕事が終ってから社員が集まり、『今日の問題点は?』と話し合っています。まぁ、ビール飲みながらなんですけど(笑)。そして次の日、『これは改善したよね。それじゃ、今日の問題点は?』と、またビールを飲みながら(笑)。その繰り返しですね」
今回ゴールドコーストにオープンした『 Japanese Food Express 』は、田中さんが店長を務められていますよね?
平沼さん
「田中はもともと日本の大手焼肉チェーン店の店長をしていまして、わたしが日本へ出張した時に会って面接し、このお店のために引っ張ってきたんです」
田中さん
「これまでも何度かオーストラリアに来たことはありましたし、実はワーキングホリデーも経験しています。もともと、いとこがシドニーに永住しているので、オーストラリアにふれる機会が多かったんです。それで、大学2年の春休みにブリスベンにホームステイした時、薫さんと同じなんですけれど、『あ、日本じゃないな』と思いまして」
平沼さん
「お前、真似すんなよっ!」
田中さん
「いや、まったく同じなんですよ! 日本じゃないなと思ったんです。その当時、将来は税理士になるつもりでした。大学では会計ゼミに入っていて、教授にも『わたしは税理士になります』と話していました。それが突然、『すいません! 海外に行きます』と。親にもオーストラリアから帰ってきたその日に『大学を卒業したらオーストラリアに行くと決めたから』と。その頃から焼肉屋さんでアルバイトをしていたんですが、接客が好きなんですよね。お客さんの『美味しかったよ』という、その一言がすごく嬉しかったんです。『いらっしゃいませ!』『ありがとうございました』と、人とふれあうことに目覚めてしまったんです。それで、少しでも可能性があるならそれに向かっていったほうが良いんじゃないかと思い、ワーキングホリデーをしました。そして一度日本に帰ったのですが、いつかまたオーストラリアに来る機会をねらっていた矢先、ちょうどこの話があり、もちろん迷うことなく、『ぜひ、お願いします』と」
平沼さん
「逆にわたしの方が『今すぐチケットを取って、明日、俺と一緒にオーストラリアに帰るぞ!』くらいの勢いで」
田中さん
「さすがに、それは困りましたけど(笑)」
平沼さん
「じゃあ、一ヶ月の時間をあげるから、今からちょうど一ヵ月後のチケットを取れと」
田中さん
「それからは、引継ぎをしたり、すごく慌しかったですね。空港に行く車の中でパッキングしたほどです(苦笑)。オープンも近かったので、3月に来てから今まで、本当に怒涛の日々でしたね」
田中店長の働きぶりは期待どおりですか?
平沼さん
「オープンから一ヶ月経ったんですけれど(取材時)、彼、まだ10キロ痩せていませんからね。まだまだ足りない!(笑)」
田中さん
「でも、5キロ痩せましたよ」
平沼さん
「俺が痩せた時の半分だから、頑張り方がまだまだ半分ということだな」
田中さん
「実際、毎日薫さんに指摘されながら、修行が足りないなと自分でも感じています。日々改善していくしかないという気持ちで、頑張っています」
客層はどういった割合ですか?
平沼さん
「ランチは半分がオージー、残りのうち四分の一が日本人、他にはコリアンやチャイニーズなどのアジア人ですね。オージーのお客さんは、ほぼ、この辺のオフィスで働いている人で、一度気に入っていただくと、月曜から金曜まで週5日来てくれますね。それで、これと決めたら毎日同じメニューをオーダーするんですよ(笑)。でも、そういうふうに地元密着型の、オージーがいっぱい入ってくれるようなお店にしたいですね。ディナーは焼肉がメインなので、今のところ9割が日本人です」
『 Japanese Food Express 』のアピールポイントは?
田中さん
「ランチでしたら、『焼肉ライスボール』がおすすめです! ブリスベンの『 KOH-YA 』と同じソースを使っています。それから、『豚キムチ丼』ですね。キムチは白菜を買ってくるところからすべてこのお店で作っている自家製です(満喫写真館参照)。ディナーの焼肉は、『 KOH-YA 』と同じ和牛をだしていますので、ぜひ、そのお肉を食べていただきたいです。これまで、ゴールドコーストに住まれている方は、わざわざブリスベンまで日本の焼肉を食べに行かれていましたよね? このお店でも、本当に美味しい和牛を使っているので、ぜひともお越し下さい!」
平沼さん
「やはり、日本の焼肉、和牛カルビが食べられることが一番ですね。それから、こうやって座っていると大人しく見えるんですけれど、田中は気さくな感じで、明るく元気な接客をしますので、美味しいお肉とフレンドリーな接客でお待ちしております!」
今後の夢をお聞かせください。
平沼さん
「永住権取得の夢は幸いにも達成できたし、これからは店舗をどんどん展開して、無限大の視野をもってレストラン業界を熱く盛り上げていきたいですね。しょせん2店舗なので、まだまだですけど・・・・・・。でも将来の夢として、世界各国のお客さんに『このお店、美味しいね。それにスタッフはフレンドリーで優しいね』と言ってもらえるようなお店作りをしていきたいです。それから、わたしはよく社員に、『独立しなさい。社長になりなさい』と言うんです。田中もまだ入ってきたばかりですが、絶対に独立しなさい、と。ここは、あくまでも修行の場であって、ここで学んだものを田中風に表現して、自分のお店を持ちなさい、と。そして、ある時ちょっと入ったお店がたまたま田中のお店で『おぉ〜、こんなところにいたのか!?』って(笑)。そういう楽しみってあると思うんですよね」
田中さん
「わたしもずっとこちらに住みたいと思っているので、一つの段階としては永住権取得が目標です。でも、それはあくまでもステップで、自分の店をやりたいです。今はこうしてお世話になりながらノウハウを学ばせてもらっていますが、それをすべて盗みまして(笑)、自分のお店を何店舗もだして、最終的にはハイライズのペントハウスに住みたいです!」
最後に、今後ゴールドコーストに来たいという方へアドバイスをお願いします。
平沼さん
「わたしはよく、『たましい』という言葉を使うんですけれども……。ようは、気持ちの問題だと思うんです。例えば、こちらでビジネスを起こしたいとか、成功したいと思うのであれば、たましいを常に熱く、モチベーションを保ちつつ、そして決して妥協せずに自分に厳しくすることが成功への一番の近道なんじゃないかなと思います」
田中さん
「わたしも気持ちだと思うんです。目標を決めたら、それに向かってしっかりした道筋で行動していくことが大切だと思います。目標があって、どうすればそこにたどり着けるのかということをしっかりと考え、準備し、それに向かってやっていけば道は開けていくと思います。行動していれば、チャンスがどこかでやってきますよね。でも、それをものにするかしないかは、その人の気持ちしだいだと思います」

永住権取得の夢が実現し、ますますパワーアップ中の平沼さんと、その後を追うように毎日頑張る田中さん。お二人とも決して自分を甘やかすことなく仕事に励まれている様子が伝わってきました。その頑張りがあって、ゴールドコーストでも和牛カルビが堪能できるようになりました。たましいが大切だと語る平沼さんと接客が天職だという店長の田中さんが盛り上げるお店『 Japanese Food Express 』は、オーストラリアフェア・ショッピングセンターのすぐ近くです。ランチにディナーに、ぜひともお出かけください。

『 Japanese Food Express 』
13 Davenport St, Southport, QLD4215, Australia
電話: 07-5528-1616
営業時間: 11:30〜14:30 / 17:30〜21:00 (月〜土)
定休日: 日曜日

取材・文・撮影/城文子
インタビュー/2006年07月12日