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浜松市出身 北川元一・道子さん
 
ご自身たちの分だけではなく、難しいワンちゃんたちのビザまで、辞書を片手に申請された北川さんご夫妻。すごいチャレンジですよね? 何事もまずは自分たちでやってみる、英語が苦手でもご近所のオーストラリア人と交流する、という積極的なお二人の登場です。オープンハウスが大好きな道子さん、そんな奥様の「お刺身が食べたいな」の一言に応えるために魚釣りを始めた元一さん、そして日本から一緒にやってきたワンちゃんたちの楽しい毎日について語っていただきました。  
 
どうして海外で暮らそうと思われたのですか?
道子さん
「うちは商売をやっていたんですけれども、もうそんなに伸びないし、このぐらいで……ってういうのがあって、前からちょっと考えていたんですね。で、この人も60歳になるので、これからは海外でのんびりしようかなと思ってね、商売を閉めたんですよ」
元一さん
「わたしが50歳ちょっとの時に初めて入院生活をして、その時医者に『仕事をとるか? 命をとるか?』って言われたので、そこで考えてみて。家内は前々から『そろそろやめたら?』って考えていたみたいですけどね」
道子さん
「わたしは商売人じゃなかったから、そういうのはよくわからないけど、こんなに大変な思いでやっているなら、やめたほうがいいんじゃない? っていう感覚ね。まぁ、多少なりとも年金もはいるし、何とかやっていけるんじゃないかなと思って。それに、いつも考えていることなんだけど、人生長いようで、あっという間ですよね? だから、やっぱりある程度決める時には決めないと、進まないからね」
元一さん
「家内にそう言ってもらったのが、すごく励みになりましたね。だから、わたしがストレスで病気になって、それがちょうど一つのきっかけになったんです。それで、入院中に会社をたたむ長期計画をして」
ゴールドコーストに決めたのはどうしてですか?
道子さん
「わたしは30歳ぐらいの時から母と、行っていない国はないくらいに海外旅行であちらこちら、まわっていたんですよ。だけど、オーストラリアだけは来たことがなかったんですね。ハワイが気に入ったので、毎年2回行っていて、気候的にも良いので老後に住むのにいいなぁと私自身は考えていたんです。言葉が何にもできなかったけど、とにかく住みたいっていうね。それからイタリアもすごく好きだったし、スペインもリタイヤメントビザがあったのでいいかなと思ったんだけれども、ちょっと遠いし。それに、犬を連れていくことを考えると大変でしょ? で、いろいろ検討して、本を読んで調べていたら、オーストラリアのゴールドコーストが気候から何から総合的に良いって思ったんです。それで、『ここだっ!』て決めちゃったんですね。そうして、一回行ってみようってことで、二人で視察に来たら、案の定、すごく良いところでしょ?」
元一さん
「それとここは多民族国家っていうのが良いんじゃないかな、やっぱり。特にゴールドコーストは世界各国の方がいらっしゃるんで。子供さんの教育でも第二外国語で日本語を勉強していらしたり、スーパーのレジでも片言の日本語で『アリガトウゴザイマシタ』って言って下さったりね。本当にとけ込みやすいですよね。暖かく受け入れて下さるというか」
理想の物件はすぐに見つかりましたか?
道子さん
「最初はロビーナタウンセンターの近くにレンタルしていたんです。はっきり言って、まったく家を買うつもりはなくて。でも、こっちって、オープンハウスがすごく楽しいじゃないですか? こちらの方って、すごくセンスが良いでしょ? もう、家の中を見せてもらうだけで楽しくって! 『あぁ、こういうセンス!』って感心してね。で、あちこちと見ているうちに、だんだん自分も欲しくなってきたっていうか(笑)。それで、知っている方のお父様とお母様がクリア・アイランド・ウォーターに住んでらしてね、そこのお宅を見に来ないかって誘われて、遊びに行ったんですよ。そうしたら、本当にすっごく素敵なお家で。『この辺はすごく良いよ』って言われて。ここって、パシフィックフェアもすぐだし、街だって近いでしょ? ロビーナやカラーラやQスーパーにも便利で、それでいて静かで」
元一さん
「レンタルしていた時も、この人がオープンハウス好きだから、毎週土日に見てまわってたんですよ。僕はだいたいね、人の家にズカズカ入って見るなんて嫌だったんですよ(笑)。それがね、ブリテン(新聞)で見て、どことどこへいくのかチェックして、だいたい地域と時間帯でまとめて、地図にチェックしておいて……。おかげで道路に詳しくなりましたよ(笑)。100軒以上は見ているんじゃないか?」
道子さん
「それはないと思うけど。まぁ、今でもオープンハウスは好きですけどね」
クリア・アイランド・ウォーターでの暮らしはいかがですか?
道子さん
「わたしたちは英語ができないのに、ご近所の方々皆さんが一生懸命いろいろ教えてくれたりね、『お茶飲みにこない?』って呼んでくれてたりしてね」
元一さん
「この、モンテビデオ通りの人たちは全員知っているっていうくらいですよ。犬の散歩時に会ったりしても、みんな挨拶するしね。だから、クリア・アイランド・ウォーターの中にもいっぱいオージーの友達ができました。『今度結婚式があるから来て』と呼ばれたり、BBQパーティもあちこち呼んでいただくし、お父さんの80歳のお誕生日パーティやるからって呼んでいただいたりね」
毎日、どのように過ごされていますか?
道子さん
「今ね、けっこう忙しいんですよ。犬で毎日が始まるでしょ?」
元一さん
「車に犬をのっけてブロードビーチまで行くでしょ? そこから1時間くらい浜を歩いて。7時頃ここを出て、戻ってくると8時半を過ぎています」
道子さん
「それから犬を洗ったりして、朝食の支度をして、食べて。それで時間がけっこう過ぎちゃう」
元一さん
「そしてまた3時頃になると、犬のほうから催促するので、散歩からボール投げから、30分以上はしてやるんですよ」
道子さん
「日本人の方とのお付き合いで、食事会も週に2回くらいあるし。全部は行かないですけど、違うグループができたりしてね。やっぱりこちらに入ってくる方も次から次にたくさんいますでしょ? そんなので、けっこう忙しいですよ」
こちらで釣りを始められたとか?
元一さん
「日本ではやってなかったんですけどね。家内が『お刺身が食べたい』と言うけれども、お刺身になるようなお魚がこちらにはそんなにないじゃないですか? で、釣りもやってみたいなと。それで、自分でスピットへ行って、皆さんの持っている仕掛けとか竿とか見てきて、Kマートへ行っていろいろ揃えたんです。昼間にいくと日に焼けるし、犬の散歩の時間もあるので、夜釣りに行ってみましたら、夜のほうが釣れるんですね。明け方とか夕方とか、やっぱり魚も食事の時間ですからね。それで、ローテーションを組んでみると、効率がいいのは午前1時半に起きて、2時には釣り始めて、5時まで釣って帰ってくるんですよ。そして犬の散歩ですね」
とっても早起きですね?
元一さん
「わたしはワインが大好きだから、夕食の時に飲むでしょ? で、朝も早いから、すぐに眠たくなる。家内はテレビを見たり、本を読んだりしていますが、わたしは8時半頃に寝れば1時には起きられますからね。今の時期は、鯵やテイラーでしょ? ダーツやシマアジ、それからブリームもかかりますよ。コチなんて一番大きいのが62センチくらいありました。やっぱり家内が刺身を食べたいって言うのでね。そうそう、去年、かつおを釣ったんですよ。日本で、寿司屋や料理屋へ行くと板前が目の前でやっているじゃないですか? それをしょっちゅう見ていたから、それを思い出したら、おろせましたよ。その日、ちょうどオージーのお宅へBBQに誘われていたので、かつおのたたきを自分で作りました。しょうがとにんにくで味をつけて、どんぶりに山盛り持っていったんです。そのお宅のオージーがすごく刺身の好き方だったので、その彼と二人で、こちらの辛口の白ワインで食べようかと思っていたら、その時12人くらい来ていたオージー全員が『美味しいっ!』って食べちゃうんですよ。結局、全部食べられちゃって(笑)。干物も、誰にも教わらず、ここで自分でやりますよ。アジを一度に50〜70匹くらい釣ってきたことがあって、ある程度たたきで食べておいて、あとは干物にしたんです。そんなことばかりやっていましたら、冷凍室がいっぱいになっちゃったから、今度は冷凍庫だけを買って、その中につっこんでいるんですよ。彼女も最初はおろしているのを見ていたんですね、まったく魚なんてさわったことがなかった女性なので。それが、釣って帰ってくると、やっぱり1〜2時間眠たいじゃないですか? そのまま魚を保冷庫に入れて寝ている間に、彼女が全部3枚におろしてくれたりして。それからずっと彼女に任せっきりで、もうこのごろは魚屋のおかみさんですよ(笑)」

ここから、紅茶とケーキをご馳走になりながら……。
このケーキは奥様の手作りですか?
元一さん
「それはね、スペインのパステルっていうチーズケーキの一種です(満喫写真館参照)。ワインのつまみにもいいですよ。白ワインに合うんです。僕が作ったわけじゃないけど」
道子さん
「昔はいろいろケーキ作りをしていたんですけど。ここでは、なかなか美味しいケーキがないので、またいろいろと作るようになって。それで、この人に『ちょっと手伝って』って言ってね」
元一さん
「大変ですよ。電動式のを買えばいいのに、手でこうやってね(ぐるぐると泡立てる動作をしながら)」
道子さん
「初めは『冗談じゃないっ!』てやらなかったんですよ」
元一さん
「でも、食べたら美味しかったので」
道子さん
「初めは『冗談じゃないっ!』てやらなかったんですよ」
毎日、どのように過ごされていますか?
道子さん
「今ね、けっこう忙しいんですよ。犬で毎日が始まるでしょ?」
元一さん
「車に犬をのっけてブロードビーチまで行くでしょ? そこから1時間くらい浜を歩いて。7時頃ここを出て、戻ってくると8時半を過ぎています」
道子さん
「それから犬を洗ったりして、朝食の支度をして、食べて。それで時間がけっこう過ぎちゃう」
元一さん
「そしてまた3時頃になると、犬のほうから催促するので、散歩からボール投げから、30分以上はしてやるんですよ」
道子さん
「『作って、作って』って言うので、それだったら手伝ってよって」
ワインが非常にお好きだそうですが?
元一さん
「こちらへ来てからも、いろんな種類のワインを飲んでみましたよ。今、セラーにいっぱいになっちゃいました(満喫写真館参照)。日本にいた時には、ワイン教室に5年間通っていました。飲みたい一心で。先生も、『いいかげんに、あなた卒業して下さい』って。食事会がしょっちゅうあるので、そのワインにマッチングしたお食事の所へ連れて行ってくれて、テイスティングしながら飲むっていう。それができるから、そのワイン教室にしがみついていたんですよ(笑)。ロマネコンティの畑まで行ったんですよ」
道子さん
「だから、結構、主人のほうがオーストラリアを気に入っているんですよ。魚釣りとかワインとか。庭いじりとか、そういうのも好きだしね。この人は、どっちかって言うとオージータイプ? もともと、働くのもそんなに好きな人じゃないし」
元一さん
「そうね、楽しみながら人生を送りたいっていうか。でも、ここへ来て本当によかったよね」
ゴールドコーストで暮らしてみたいと考えている人にアドバイスをお願いします。
道子さん
「やっぱりね、まずは来るっていうことね。そうしないとわからないですよね。話を聞くだけではなくて、まずは遊びに来てみるほうが早いですよね。こちらにいらっしゃる方を訪ねて直接聞いてみたりね。『外国に住むなんて信じられない、そんなこと考えられない』っていう人、結構多いですよね? わたしは『だったら、一度来てみたら?』って言うのね」
元一さん
「なにしろ、オーストラリアは時間が本当にゆったり流れているから、そのゆったりの中に身を任せられることが出来る人じゃないと、慣れるまでは難しいかもしれないですね。わたしは、その、ゆったりしたものを求めていましたから。だいたい、わたしは性格的にケセラセラだから、どこでも合わせられると思うんですけど。でも、ここが好きですね。それとここにはワインがいっぱいあるでしょ? ワイン屋さんへ行くと、1〜2時間すぐにたっちゃうもんね」

両隣のオージーたちに、「あなたたちは良い方だから他へ行かないで下さい」と言われたこともある北川さんご夫妻。「英語もわからないのに、ありがたいですよね」とおっしゃっていましたが、それも楽しいお二人のお人柄があってのことだと思います。元一さんはのんびりマイペースに釣りや庭のお手入れを楽しまれる一方で、かなりのワイン通。行動的でオープンな道子さんと一緒に、美味しく、楽しく、オーストラリア生活を満喫されています。お二人の共同作品? のケーキも大変美味しくいただきました。これからも愛犬たちと、忙しくも、息の合った日々を過ごされることと思います。
取材・文・撮影/城文子
インタビュー/2005年08月19日