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大阪府出身 Miyuki Eckfordさん
 
いつも予約でいっぱい、在住日本人から絶大な支持を受けている美容室『 ZAP 』のオーナー・みゆきさん(写真中央)。本人の希望を聞いたうえで、その人に最適なヘアスタイルを丁寧にアドバイスされています。いつもスタイリッシュな装いがかっこいいみゆきさんに、オーストラリアの美容事情、経営者としての今後の展望、お忙しい中でのリラックス方法などを聞いてみました。  
 
オーストラリアに来られたきっかけは?
Miyukiさん
「オーストラリアだけに限らず、いろんな国を見てみたい、っていうのが最初のきっかけで。その当時、自分が選べるワーキングホリデー先っていうのがカナダとオーストラリアしかなくて、寒いところよりかは暖かいところの方が自分には合うので。それと、暖かい国のほうが、ファッション性にしても髪にしても大胆かな? と思って。そういう理由でオーストラリアを選びました。それがもう10年前になります」
どういういきさつで『 ZAP 』を始められたのですか?
Miyukiさん
「オーストラリアに来て最初の4ヶ月間は、美容以外の営業経験をしてみたかったので、アルバイトをしていて。それからオーストラリアを一周して、ここの文化をわかってから、その後ずっと美容の仕事をしていて、それがビジネスビザへつながったという感じですね。で、そのお店に4年はいたと思うんですけど、経営者が手を引くということでお店がなくなってしまって。それで、オーストラリアに来て6年半くらいの時に自分のお店を始めました。やっぱり美容が好きなんで、自分の好きな美容をお客さんに提案したかったら、自分でお店をするしかないんですよね。ボスがいたらボスの形のお店をしなきゃいけないですし。だから、自分のしたいサービスをするためにお店をやっているだけのことで。それが喜びですし、楽しいですね」
オーストラリア人と日本人のお客様の割合は?
Miyukiさん
「オーストラリア人のお客様の割合は、日本人に比べてまだまだ低いですね。オーストラリア人のお客様はリピーターがほとんどで、今のところ、その人たちが新規のオーストラリア人のお客様を連れてきてくれている形ですね。オーストラリア人のお客様がよく言ってくれるのが『コンペティションに出なさいよ』と。そういう、ポジティブなことを言ってもらえて、喜んでいるんです」
日本人のお客様とオーストラリア人のお客様に違いはありますか?
Miyukiさん
「オーストラリア人はハッピーであればそれを200%表してくれるので、こちらとしても悩むことは無いですね。良かったと思って帰っていただけるんで。でも、感覚は全然違いますよ。日本では、雑誌に髪についてのいろんな情報がでていて、素人さんなりにもいろんなことを知っているんですね。なので、ヘアカタログを見て、こういうふうにしたいという目的があった時に、『お客様の髪質はこうなので、こうしないと結果はこうならないですよ』と説明したら、すんなりわかっていただけるんですね。でも、オーストラリア人の場合は、雑誌で情報が溢れていないせいか、プロフェッショナルに任せれば全部手に入ると思っていますね。まぁ、もちろん自分の英語のせいもあるんですけど。そういう難しいところはありますね。でも、どこの国の人であるとか関係なく、自分ができる限り手を抜かずにやれば、結果的がもしその人が望んだとおりでなくても、お客様には必ず喜んでいただけますね。それはオーストラリアでやってきて思います。『一生懸命、一生懸命あなたに尽くして、精一杯喜んでもらえるまで頑張ります』っていう気持ちで仕事をしていれば、どのお客様も応えて戻ってきてくれるんですね。髪を切ったりさわったりっていうだけの仕事なんですけど、人間同士の心のふれあいが大事だなってすごく思います」
スタッフは日本人が中心ですか?
Miyukiさん
「そうですね、やっぱり自分がオーナーになってみて、当然、お客様にいいお仕事ができる人が欲しいじゃないですか? そうするとやっぱり日本人は勤勉家だし、まじめだし、学ぶ力がすごいというか。オーストラリア人って、どっちかって言うと自分に非があっても『あなたにも非があるんじゃない?』っていう文化じゃないですか。技術を学ぶ時にその性格が難しいんだと思うんですよ。日本人の良いところは、仕事に対してのプロ意識っていう意味で、みんな自分にすごく厳しいんですよ。『わたしはこれで最高よ』って思っている人はいないし、わたしも美容の仕事を15年やってきて、今でも迷いや力不足だなって思う日々なんですよ。だからこそ、日々進歩していけると思うんですけど。オーストラリア人の場合は、コースが終わったら『わたしはもうプロフェッショナルよ』って感じで、そのプライドの高さがそれ以上の進歩を止めてしまうんですね。でも、もちろん、オーストラリア人でも良い人がいれば使いたいなと思うんですけど。それは常に思っていますね」
ずばり、『 ZAP 』はどんなサロンですか?
Miyukiさん
「お客様から『他のオーストラリアのサロンと比べて、親身になってくれる』と言っていただいたり、サービスに喜んでもらったりしています。いつもスタッフミーティングで言うことなんですけど、誠心誠意込めてやれと。『一人一人、大切に接する』っていうのをキーワードにしていて、お客様がなるべく嫌な思いをしないようにと心がけているんで、来ていただいた時間は満足していただけるように頑張っています。それから、オーストラリアってファッションが遅れていますよね。でも、だいぶ若い子達の感覚が変わってきましたね。オーストラリアのファッション雑誌も置いているのに、みんな日本の雑誌を読むんですよ。で、こういうふうにしたいって。髪型でもファッションでも、これいいねっていうのが日本の雑誌からなんですね。それで、『オージーサロンではわたしのやりたいことを理解してくれないの。でも、ここは、わかってくれて楽だわ』って言うんですよ。オーストラリア人の美容師さんやオーストラリア人全体がまだそこまでファッションや流行に敏感じゃないんだけど、敏感な人たちも増えてきているんで、そういう人たちに応えられるサロンっていうか。そういうファンキーで、独特な感じにしたい人たちには強い支援をもらってて。そういう意味では今がチャンスで、今が頑張り時かなって」
お仕事でお忙しいと思いますが、ゴールドコースト生活はいかがですか?
Miyukiさん
「最初の一年は休みが全くない状態だったんですね。美容師っていうのは、この手にオーダーを受ければ、他の人の手ではダメなんですよね。代わりがきかない仕事なんで、うちのチーフもわたしも休みがなくなっちゃうんですけど。今は週に2日、休みをとれるようになったんで、贅沢している感じですね。今、毎日のウォーキングにはまっていて、景色のいい中、気持ちのいい天候の中、ウォーキングして体に空気をとり入れています。環境からもらうエネルギーってあると思うんですよ。仕事でアンナチュラルな中にいて、たくさんケミカルなものを使ったり、技術的に形を変えたりする仕事をしていますよね。それに、勉強するのも雑誌の中であり、テレビの中であり、マンメイド(人間が造ったもの)な物の中からアイデアをもらうわけじゃないですか? そんな中にずっといると、ピュアで自然な原点を忘れてしまうので、海の見えるところを歩いてみるとか、ただ子供とふれあって子供の笑顔って綺麗だなとか……。そういう小さなことで、わたしはバランスをとっているのかなって思います。日本にいたら、物にしか興味の無い人間になっていたかもしれないので、それはオーストラリアの素晴らしいところだなと」
今後の夢をお聞かせください。
Miyukiさん
「例えば日本にいたら日本人のやり方しか知らない、日本の感覚だけの美容室になっていただろうし、ここだけで美容を覚えていたら日本では通用しない美容師になってしまうし、両方学べて本当に良かったなと。で、オーストラリアが自分の独立に適していたなと思うのは、お客様がすごいインターナショナルですよね。白人もいれば黒人もいるし、わたしたちみたいなアジア人もたくさんいて、アジア人でも日本人、中国人、韓国人、フィリピン人といろんなアジアの人がいて。英語で接客するのでウェスタンな感覚の部分もあるんだけれども、サービスや技術面では日本の良い面をだしていけるんで、うまくミックスされた自分を提供できる場所だなと。活躍できる場所がここで良かったなと思っています。で、ゆくゆくは、スタッフ全員がインターナショナルになって、お客様にインターナショナルなサービスができるようになりたいですね。今はジャパニーズサロンにオーストラリア人も来ている、という状態なんですけど、『ジャパニーズサロン』って言うのをぬぐいたいなと思っています。『 オーストラリアのZAPサロン 』として大きくなっていきたいのが今後の自分の目標ですね」

『 ZAP 』という名前の由来を聞いてみたところ、いい意味で驚いた時に使う擬音なのだそうです。漫画の爆発シーンなどで、よく「 BOM! 」と表記されていますよね? それと同じような感じで、「 ZAP! 」とは、スーパーヒーローがバンッと登場した時や手品を見た時などに「あっ!」と驚く瞬間の表現なのだそうです。ヘアスタイルが仕上がった時に「 ZAP! 」と言ってもらえれば……という想いを込めて、旦那様と二人で考えられたそうです。理想のサロンに近づくように、反省と努力を重ねながら一生懸命お仕事されているみゆきさん。インタビュー中、その熱い想いがひしひしと伝わってきました。今よりもっとパワーアップした国際色豊かな『 ZAP 』サロンがゴールドコーストで有名になる日は、きっと、そう遠くはないですね!
『 ZAP 』
Shop4 Surfers International, Hanlan Street, Surfers Paradise
電話: 07-5504-7150
営業時間: 10:00〜18:00
定休日: 毎週月曜日、毎月第二火曜日
取材・文・撮影/城文子
インタビュー/2005年07月07日