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東京都出身 佐藤龍太さん
 
学生の頃の語学留学がきっかけとなり、オーストラリア滞在暦が17年になる佐藤さん。現在はサウスポートにある『 National Australia Bank 』にて日本人顧客の銀行業務のお世話をされながら、二児のパパさんとしてもご活躍中です。唯一の日本人スタッフとしての仕事内容から、ご家族との週末の過ごし方など、日々のことを語っていただきました。  
 
オーストラリアに来られたきっかけは?
龍太さん
「1988年に、ちょうど大学3年生になるところだったんですが、休学してブリスベンに語学留学に来ました。それがきっかけですね。それから、一度帰って大学を卒業して、たまたまこちらで仕事を手伝ってくれないかというお話があったので、ワーキングホリデービザで戻ってきたんですが、結局その仕事へは進みませんでした。でも、その時知り合った人がいて、一度日本に戻ったんですが、『やっぱり一緒になりましょう』ということで、結婚して、こちらへ移住してきました」
オーストラリアで結婚生活を始められたのはどうしてですか?
龍太さん
「彼女が日本語をしゃべれないので、日本へ連れて行ったらかわいそうかなと。まぁ、わたしが多少英語をしゃべれたので、わたしがこちらへ来たほうが二人で暮らすには簡単かな、ということで。だから、永住目的での滞在はその時からですね」
『 National Australia Bank 』でのお仕事内容をお聞かせ下さい。
龍太さん
「日本人のお客様の銀行業務のお世話をさせていただいています。まぁ、銀行業務と言っても、保険やインベストメントも関係してくるんですけど、わたしが直接、投資商品や保険商品を売るということではなくて、わたしの仲介で担当者と一緒にミーティングをするという。だから一般的な個人銀行業務、それから法人の銀行業務はビジネスマネージャーがお世話をする形になるんで、その時もわたしが関与して三者でやっています」
職場にはすぐ慣れましたか?
龍太さん
「語学の問題はあまり感じませんでしたけれども、日本人のお客様へのサービススタンダードとオーストラリアの企業としてのサービススタンダードのギャップがあるので、やはりそのへんの難しさがありましたね。例えば人に頼んで『やった』と言われても、やっていなかったりということもありました(笑)。だから、頼めるけれども頼まないで、自分でやってしまうところはありますね」
日本人スタッフは佐藤さんだけということで、とてもお忙しいのでは?
龍太さん
「忙しいですね。以前はサーファーズパラダイスにいたんですが、銀行の都合でサウスポートがメインオフィスになったんですね。それがちょうどよかったです。サーファーズパラダイスにいたら、ウォークイン(飛び込みで来店されたお客様)があったりして、忙しくて一人ではやっていけなかったでしょうから。個人的に、ウォークインのそれも特に若いお客様には、最初から日本人を頼らずに、言葉がわからなくても、一度はご自身でトライしていただきたいです。ですから、隠れているわけじゃないですけど、サウスポートでちょうどいいですね。お取引のお客様のうち一番多いのが口コミや、既存のお客様のご紹介で、とても助かっています」
プライベートはどのように過ごされていますか?
龍太さん
「子供が二人おりまして、上が9歳の男の子、下が4歳女の子で。子供に時間を費やしています。わたしのソーシャルライフは無いですね。お客様とのお付き合いでゴルフをすることが月に1〜2回あるんですけれども、そういうのが何も無ければ基本的には子供と過ごしますね。こちらでは子供のソーシャルライフが一番大きいですから。誕生日パーティに呼ばれたり、呼んだり。それが、二人の子供がいて、一人に26人の学友がいたら、約50人ってことじゃないですか? 年に50回、誕生日パーティに呼ばれるので……。子供が大きくなると、呼ぶ友達を数人選ぶんですね。ところが子供が小さいと、そういうことをすると親同士の関係が悪くなるんで皆を呼ぶんです、クラス全員。で、お父さんも参加しますしね」
日本に里帰りはされますか?
龍太さん
「2年に一回ぐらい帰りますね。やっぱりオーストラリアにない物があるので、子供たちは喜びます。ただ、言葉がね……。やっぱり『母国語』と言うだけあって、母の言葉が中心になりますから、英語が勝っちゃうんですね。ポケモンのゲームをやってみても、ゲームの中で日本語がでてきちゃうとわからない状態で」
ご家庭では、英語での会話が中心ですか?
龍太さん
「ほとんど英語ですね。慣用句だけ日本語で『行ってきます』とか『いただきます』とか『ありがとう』とか。そういう短いのはわかるみたいですが、会話にならないですね。家内とわたしとの会話も英語なので、悲しいですが、日本語を覚えてもらえないです。だから、家内から怒られます『日本語がしゃべれないのはあなたのせいよ!』と(笑)。嫌われるのを覚悟で日本語を通せばいいんでしょうけれど、嫌われたくないっていうのがありますね」
いつかはお子様たちに日本語を話してほしいですか?
龍太さん
「学びたかったら学べばいいという感じですね。わたしも20歳から会話英語を始めましたから。大学3年生の時にこっちへ来て、最初は話せない状態でした。そこからやって、今ではテレビを見ても面白いと笑えるし、ニュースを見てもほとんどわかりますからね。だったらうちの子だって、やりたいと思ってからでも、ある程度はいけるんじゃないのかな? と思います。ネイティブまではいかなくても」
ゴールドコーストの魅力をお聞かせ下さい。
龍太さん
「タダで自然がいっぱいある(笑)。やっぱり日本に住んでいれば、東京から海へ行こうとしたら、料金払って高速にのって、高いガソリン代も払って、海の近くで駐車場料金払って、ロッカーを借りて、海の家で400円もするビールを飲んで……。それで、きれいな海に広いビーチかって言ったら、汚いところで。大の字になったら横の人に触っちゃうような、海で泳げばポテトチップの袋が手に絡んでくるような(笑)。それに比べたらここのビーチは、だぁ〜と続いていて、BBQコンロで買ってきたものを焼いて、自分で持ってきたビールを飲んで、ものすごく安いじゃないですか? 工業製品だの何だのって言えば自動車もコンピューターも遅れていますが、それはお金を持っていればいくらでも日本から持ってこられますよね。でも、自然はやっぱり、日本でいくらお金をだしたって買えないじゃないですか?」
ゴールドコースト生活を満喫するポイントは?
龍太さん
「オープンマインドで来ていただければいいかなと。日本の感覚のままオーストラリアに住むっていうのも無理だし、日本で持っていた『オーストラリアってこうだろうな〜』っていうのがあまりに強すぎても、それが外れた時のギャップが激しいということですからね。あまり最初に価値観を設定してしまうと、当たればいいですけど、外れた時に『嫌な国だな』って思ったりしますから。それは逆もそうです。オーストラリア人が『日本ってこういう国だろうな』って思って行ったら、全然違ったりして。よくあるのが、芸者とか法隆寺とか忍者とか、ああいう感覚で行くわけですよ。で、東京へ行ったら『どこに芸者がいるんだ?』ってことになっちゃうんで。だから、オープンマインドで来ればいいんじゃないかなと」

とても気さくな雰囲気で、お仕事のことやプライベートライフについて話していただきました。休日の過ごし方はお子様中心で、父親も子供たちのお誕生日会へ顔を出すなんて、オーストラリアらしいエピソードですよね。また、ゴールドコーストの自然も満喫されているようです。「口コミでお客様を紹介していただいている」とおっしゃっていましたが、佐藤さんのお人柄なら、それもうなずけます。今後も、良き仕事人、良きパパさんとしてゴールドコーストでご活躍されていくことだと思います。
National Australia Bank
佐藤龍太さん Personal Banker
27 Scarborough Street, Southport, QLD4215
電話: 07-5581-2268
FAX: 07-5581-2298
取材・文・撮影/城文子
インタビュー/2005年06月29日